本と虫は家の邪魔
奥本大三郎対談集
2018年11月15日 第1刷発行
日本のファーブルとも称される、昆虫とファーブルが好きなフランス文学者奥本大三郎の対談集。対談の相手になっているのは以下の人たち(年は対談が雑誌等に掲載された年)。
- アーサー・ビナード(詩人)2009年
- ビートたけし(タレント、映画監督)2004年
- 阿川佐和子(エッセイスト)2004年
- 田辺聖子(作家)2007年
- 長谷川眞理子(行動生態学者)2002年
- 阿川弘之(小説家)、北杜夫(小説家、精神科医)1991年
- 鹿島茂(フランス文学者、評論家)2003年
- 内田洋子(エッセイスト)2015年
- 山極寿一(霊長類学者、ゴリラ研究者)2015年
- 茂木健一郎(脳解剖学者)2008年
- 養老孟司(解剖学者)2005年
名前を聞いたことがある人も初めて見る名前の人もいる。阿川弘之というのは阿川佐和子の父親だそうだ。意外性があるところではビートたけしが入っているところで、基本的にたけしが自分の話をしながら奥本大三郎に質問する感じで話が進んでいる。特に最初のアーサー・ビナードとの対談が面白く、本にうまく引き込まれた。アーサー・ビナードはアメリカ人だが日本語堪能で日本語でも詩を書く人で、(奥本や他の対談者に比べれば)まだ若い人なのだが、奥本大三郎と話が合っていたし、翻訳の話や国を跨いだ文化の話等面白かった。
その他、話が噛み合っている人、若干噛み合っていないのではないと感じる人もいる。近い立場の人とは「今の若いもんは…」的な愚痴っぽい感じになっている所もあったが、それはそれで面白かった。
基本的に話が合う人同士がそれなりに用意されたテーマで話しているということではあるのだが、それでもお互いに突然出された誰かの名前や出来事について当然のように知っていて、教養の高さとはこうしたものかと感心した。
個人的には虫は好きかと言われると正直苦手と言っていい方なので話にはついていけないが、何かを熱心に好きな人が、それについて熱心に語る、というのは端から見ていてどういうわけか心地よいものである。
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