プラトン ソクラテスの弁明
岸見一郎 著
平成30年8月27日 初版発行
プラトンの「ソクラテスの弁明」の翻訳というよりは、岸見一郎の著書というべきであろう。岸見一郎は哲学者で心理学の研究者。著書も多く、検索すると講演の動画などもたくさん出てくる。「嫌われる勇気」という本が有名。
前に読んだ「ソクラテスの弁明」はプラトンが書いた文章のまとまった訳があって、その前と後に解説がついているという形だったが、これは細切れに訳があってその都度解説や筆者の見解が書かれている。こっちの方が後で解説に合わせて振り返る必要がない分だけ読みやすく早く読み終わった。
岸見一郎が書く解説の部分も、所謂「ですます調」で書かれていて、語りかけているような感じになっている。何よりも内容からソクラテスとプラトンを語る岸見一郎の慈愛というか、この本に対する愛着が伝わってくる。その中で岸見一郎はソクラテスが当時のアテナイで嫌われる理由というのをかなり実感しているようなのが印象的だった。
続けて「ソクラテスの弁明」についての本を読んだが、プラトンが書いた文章の臨場感というのが、2000年以上も前の話とは思えないことに感動している。
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