2019年9月25日水曜日

四千万歩の男(三)


四千万歩の男(三)
井上ひさし 著



1993年1月15日第1刷発行

本文の終わりまで605ページだった。相変わらず分厚い文庫本だが巻が進むに連れて若干薄くなってきていることに特に意味はないだろう。三巻でようやく伊能忠敬は江戸に帰還する。蝦夷(北海道)の東部まで行って、津軽、南部、仙台等を通って同じ道を戻ってくるわけだが、往路で売った恩や出会いを回収しながら帰ることになる。

ただ、時間というか文量としては往路よりも復路の方がずっと短くて、早く戻ってきた。それでも三巻が終了した時点でまだ年末の冬で、この本が始まってから1年は経っていない。そして忠敬の内縁の妻「お栄さん」が逃げ出してしまったところで三巻は終わっている。「来年もまた測量旅行に出かける」という忠敬に耐えられなくなっていなくなったようなので、忠敬がまた出かけることが歴史的に確定している以上和解の余地はなさそうだ。とはいえ、これまでのところ「お栄さん」の存在は小さくないので、そう単純にいなくなるとも思えない。

一巻、二巻と比べて思いの外早く読み終わったのだが、読み慣れたというよりは自分の読み方が少し雑に成っている気もしないでもない。




0 件のコメント:

コメントを投稿